半導体エンジニアの仕事内容を教えます!【半導体歴23年のプロ直伝】

若手君
理系の大学出て就職したけど、どうも今の仕事合わないな。半導体業界への転職にも興味あるし、半導体エンジニアってどんな仕事か知りたいな。あと半導体エンジニアには、どんな人が向いてるのかも知りたい。僕は向いてるのかな?

たけ
了解しました!では半導体業務歴23年の私が、丁寧に正しく半導体エンジニアのお仕事内容をご説明しますよ。あと役立つ知識や向いている人もお伝えしますね。

 

本記事の内容
・半導体エンジニアの仕事内容が分かる
・半導体エンジニアに向いてる人が分かる

たけと申します。現在、半導体メーカーでプロセスエンジニアとして働いています。前職では技術営業部の管理職でしたが、一貫して半導体の業務に携わってきました。

 

設計からプロセスエンジニア、はたまた技術営業まで経験しておりますので、半導体エンジニアの仕事内容に関しては、本職としてより正確で正しい専門的な知見を持っております。ちなみに私の知識と資格を担保する意味でこちらを載せておきます。

 

 

国家技能検定の「半導体製品製造技能士1級」の賞状とバッチです。1級の試験自体が半導体業界で8年以上の業務経験がないと受験出来ない貴重な資格です。合格率もそれほど高くなく、まあまあ難しい試験なんですよ(笑)。

 

更にちょっと由々しきことですが、ネット上で見かける「半導体エンジニアの仕事はこんな内容です!」といった記事に非常に間違いや勘違いが多いのも事実です。これでは本気で半導体業界を目指される方が誤った情報に振り回されてしまいます。

 

そこで正しい半導体業界の仕事内容と特徴をお伝えしたいと思いこの記事を書くことにしました。では早速ご説明していきます。

 

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半導体エンジニアはどんな仕事?

ではここから以下の4項目を順にご説明します。

  • 半導体エンジニアの仕事一覧
  • 設計という仕事を詳しくご説明
  • プロセスエンジニアという仕事を詳しく説明
  • 色々なシュミレーション業務の違いを説明

それでは行ってみましょう。

 

半導体エンジニアの仕事一覧

まずは半導体エンジニアのお仕事にどんなものがあるか一覧でご覧ください。以下の13種類がざっと「半導体エンジニア」と呼ばれる仕事の細かな分類です。もっと細かくも出来ますが、今回は本当のメインジャンルのみ取り上げます。

 

 

一番下の工場オペレータさんはエンジニアではありませんが、半導体製造のサポート部隊としてとても重要な役割を担っているので記載しておきました。ざっと全体を見れば超色々あるということに驚されるでしょう(笑)。

 

この中で私が今まで経験した仕事は、論理設計&シュミレーション、レイアウトシュミレーション、フォトリソグラフィ、エッチング、拡散、インテグレーション、パッケージレベル検査です。まさに何でも屋ですね。

 

実はこの中でも、最近の転職の求人は設計」「プロセスが大部分を占める傾向があります。そこで次からはまずこの2つのジャンルについて、少し詳しくご説明していきます。

 

あっそうそう、もし各仕事の詳しい内容が知りたい場合は気軽にたけまでお問い合わせくださいね。私が知っていてアドバイスできることでしたら知見をフル動員してお答えいたしますので、ぜひお気軽に。

設計という仕事を詳しくご説明

設計は以下の5個の手順に分かれています。

  • 仕様検討
  • 論理設計
  • 論理シュミレーション
  • レイアウト設計
  • レイアウトシュミレーション

 

ざっと分けるとシュミレーションとそれ以外、と言った感じです。シュミレーションというのは、自分が予定した通りの動きになっているかどうか確認する作業、だとお考え下さい。いわばチェック作業です(シュミレーションは後述)。

 

仕様検討というのは
・こんな動きをさせたいな
・じゃあこの回路を入れようかな?

 

とアイデアを出して企画立案する工程だとお考え下さい。あくまで理系の専門知識を持った前提ですが、業務の大半は上記のように「こんな風に動かしたい」を実現するためにどうしたら良いか企画する仕事です。

 

次に論理設計と言うのは、突き詰めれば「1」と「0」の信号をどこで何個づつ作るかな?「1」と「0」の信号を集めたり、バラバラにしようかな?と考えることです。その「1」と「0」を出す最小の基本回路がANDやORといったものです。下記イメージです。

 

 

このANDとかORを組み合わせて縦横に一杯つなげれば、最初に1で入力された信号を150個目のANDでは0を出力させよう!とか、こっちが0の間はここの3本の信号は全部1の出力にしとこうよ!みたいな動作が実現できるのです。このデザインが論理設計。

 

最後にレイアウト設計は、大きなキャンバス(広いスペース)に論理設計で作った回路をキレイに並べて行く作業、みたいなものです。

 

ただし論理設計の回路で、ある信号の経路はとても長く、一方他の経路が短かったりしたら、それぞれの長さに応じて回路間を繋ぐパーツの長さ(配線長)も変えて、実物の配置状態で完成させます。

 

プロセスエンジニアという仕事を詳しく説明

プロセスエンジニアの仕事は大きく分けて

  • 要素技術開発
  • 統合技術開発

 

の2つになります。例えば薬品を付けたり、切ったり、塗ったりと言った個々の処理を一番良い条件で処理できるように調整するのが要素技術開発。要素技術を何個も繋げて製品を1~10まで全部仕上げる仕事が統合技術開発です。

 

統合技術開発(インテグレーション)は、結局要素技術を複数繋げているだけなので(つなげる難しさを不問とすれば)、要素技術がどんなイメージか掴むのが最重要です。各要素技術はこんな感じです。

 


(引用元:日立ハイテクノロジーズ 半導体製造工程:半導体の部屋)

 

フォトリソグラフィとは、上の絵の真ん中ですね。まず設計で作成した回路パターンをガラス製のフォトマスク上に描きます。このフォトマスクは回路が置いてある場所は黒、何も無い場所は白(半透明)になっています。

 

このフォトマスクの上から紫外光を当てると、さっきの白(半透明)の場所だけ紫外光が通ります。予めウェーハの上に感光材を塗っておけば、紫外光があたったところだけ(白部)溶けてなくなるという訳です。

 

この仕組みを利用して、ウェーハ上に回路があるところに感光材を残し、無いところはきっちり感光材を消すという工程がフォトリソグラフィという工程なのです。残したい部分だけを残す為の工程、とも言えますよね。

 

続いてエッチングは上の絵の右側になります。フォトリソグラフィが終わると、ウェーハの上に感光材が残っている部分があります。この形に添って下にズンズン掘り込んでいく工程が「エッチング」という工程です。

 

どんな下地を削るかは色々なバリエーションがあります。例えば感光材のパターンをウェーハ(シリコン)の上に直接作ったなら、削るのはシリコンになりますし、酸化膜の上に感光材のパターンを塗ったなら削れる下地は酸化膜です。

 

リソグラフィ&エッチングはいわばコンビプレイのように1セットなんですね。

 

次の成膜という工程は上の絵の左側になります。ウェーハの上に膜を付ける工程を「成膜」と呼んでいます。この膜にも様々な種類があります。POLシリコン、酸化膜、窒化膜、等色々です。

 

成膜の役割としては、トランジスタなどを作った後に保護膜として上に膜を被せて保護するといったものや、回路と回路をつなぐ線(配線)を作るために、配線材料を全面にベタっとつけるなどの使い方もあります。配線材料を付けてエッチングで線の形に削れば、回路間をつなぐ線が出来上がりです。

 

では最後に拡散工程の説明です。私は個人的には、プロセスの仕事の中も最も難しくやりがいがあり、テクノロジの性能を決めてしまう超最重要工程だと考えています。まずは下記のようなトランジスタ構造のイメージ図が分かりやすいです。

 


(引用元:富士通研究所 システムLIってなんだろう?)

 

上の絵はN型/P型2つのトランジスタを表しています。このトランジスタの特性(動作スピード)を決めるのが拡散と呼ばれる工程です。トランジスタが動くのは、ソースからドレインに向かって電子やプラス電荷(正孔)が動くからです。

 

このソースやドレインを作るためには、シリコン(半導体)部分に、イオンを打ち込んで熱をかけて広げる(拡散)必要があり、それ故昔からトランジスタを作る工程を拡散工程と呼んでいます。

 

ソース、ドレインの深さやイオンの濃度の濃さ、あとはその2つを分断しているゲートの大きさによってトランジスタのスピードが決まるのです。世界のトップをひた走るINTELはここの作り込みが極めて優れているからこそ、トップなんですね。

 

色々なシュミレーション業務の違いを説明

ではちょっと説明が長くなってきちゃいましたが、複数あるシュミレーションがそれぞれどんな違いがあるのか簡単にご説明いたします。

シュミレーション業務には

  • 論理シュミレーション
  • レイアウトシュミレーション
  • デバイスシュミレーション

 

と大きく分けて3種類あるとご説明しました(極細かなシュミレーションを除きます)。パッと聞いてすぐにイメージできるでそしょうか?実はこの3つは以下の様に分類できるんです。ハッキリしたでしょ?(笑)

 

そうなんです、論理&レイアウトシュミレーションは回路確認、デバイスシュミレーションはトランジスタ確認ということになります。つまり目的が全然違うんです、同じシュミレーションと呼んでも。

 

回路確認用のシュミレーションでは、先ほどのAND/OR回路の話のように信号の入力出力が正しいかどうかを確認します。最初の入力で0を入れたら150番目はちゃんと1が出ているよね?とかですね。

 

一方トランジスタのシュミレーションでは、ソースとドレインが近づいたらスピードは速くなるかな?とかドレインだけイオンを濃くしたらもっと速くなるかな?といったことをチェックしていく作業になります。違いが伝わりましたでしょうか?

 

半導体エンジニアに向いている人とは?

半導体エンジニアに向いている人はズバリ以下の方です。

  • 大学・大学院での研究経験がある人
  • 問題解決を楽しめる人
  • 新しいことに挑戦するのが好きな人
  • 【必須じゃないが】電気・物理・プログラムの知識がある人

そう、この4つに該当する方が半導体エンジニアに向いています。では以下でご説明していきますね。

 

大学・大学院での研究経験がある人

これはどんな分野、どんな研究でも構いません。1年間(学卒)や3年間(院卒)といった一定期間、研究テーマを持って研究を続けたことがある方なら誰でも半導体エンジニアになれる素養はあります。と言われても理由が分かりませんよね?(笑)

 

この経験で重視していることは「物事を多角的に考えられる能力」

 

になります。後程お話もしますが大学の研究テーマを進める中で様々なトラブルや、予想外に良い結果が出てきたりすると思います。その時に「何故?」「どうして?」をしっかり考えられるかが重要なんです。

 

本当の原因を突き止めるには、これが原因か?いや違うこっちが原因か?と様々な視点で考察を繰り返しながら答えを探さなくてはなりません。半導体は各社世代毎にどんどん新技術を盛り込むので、その時々に起こる初見の現象を1つづつ解明するためにも、多角的視野が必須なのです。

 

その為にも、自分で多角的に考え答えを出せる人財であれば、半導体エンジニア向きだと思います。

 

問題解決を楽しめる人

これも非常に重要な要素です。さきほどもお伝えしたように、半導体開発では新技術もどんどん盛り込むので、当然のことながらこれまで全く見たことが無い、経験したことがないようなトラブルや特性劣化が起こります。

 

こうした事態の時に
「トラブルのある仕事は嫌だな。。。」
「調べるの大変そうだし、調べ方も分かんない。。。」

 

と諦めてしまう方は半導体エンジニアには向いていないかもしれません。でもよく考えて見てください。これまでに経験がないようなトラブルだったとしたら、もしかしたらあなたが世界で初めてその問題に解決策を出せる人かもしれないのですよ!

 

こんなエキサイティングで楽しい仕事はないですよ!と個人的には考えます。つまり端的に言ってしまえば
・トラブルを新しい経験と前向きに捉え
・解決すること自体を楽しめる人

 

は半導体エンジニアにすごく向いていると思います。もしかしたらこの要素が最も大事かもしれませんね。ちなみに私が経験したトラブルで最も難関だった事例は、2年間解決できなかった問題です。

 

毎日上司に「解決はまだか?」とせっつかれながらも、原因究明の解析をしたり実験をしながら何とか解決できた経験は本当に貴重でした。そしてこの事例によって私の知識とスキルが飛躍的に上がる印象的な仕事でもありました。

 

新しいことに挑戦するのが好きな人

半導体の製品では他社との競争が激しく、常に他社との差別化のために、新技術を開発しそれをどんどん半導体製品に搭載していきます。それこそ数カ月単位で、基本の製造プロセスが改訂されていくことなどが頻繁に起こっています。

 

そんな状況であるからこそ、常に新しいことに挑戦する方にはとても向いている仕事かなと思います。

 

業界によっては、現状を維持することこそ重要なお仕事もありますが、半導体エンジニアは常に変わり続け、新しい知見を吸収し進化することを期待される仕事だと思いますし、実際にそうなっています。是非挑戦の好きな方にやって頂きたい仕事です。

 

【必須じゃないが】電気・物理・プログラムの知識がある人

最後に必須では無いですが、「電気・物理・プログラムの知識がある人」は半導体エンジニアに向いています。色々な半導体エンジニアの仕事をご紹介してきました。

 

その中で
「設計/試験は電気・プログラムの知識」
「デバイス/プロセスは電気・物理の知識」

 

が必須となってくるため、あるにこしたことはありません。ですが今では未経験でも半導体エンジニアを募集している企業も沢山ありますし、1年もあれば勉強しながら仕事をすることで業務に必要な知識は身につくと考えています。ですのでオマケです。

 

まとめ

本記事では半導体エンジニアの仕事内容と、その仕事にどんな人が向いているかを述べました。

半導体エンジニアの仕事は大きく分けて

  • 設計
  • デバイス
  • プロセス
  • 試験

というような仕事があります。

 

更に半導体エンジニアに向いている方は

  • 大学・大学院での研究経験がある人
  • 問題解決を楽しめる人
  • 新しいことに挑戦するのが好きな人
  • 【必須じゃないが】電気・物理・プログラムの知識がある人

としました。

 

もしあなたが本日の記事を読んで半導体エンジニアになりたい!転職したい!という気持ちになったならこれほど嬉しいことはありません。将来有望な仕事に気づけて良かったです。

 

ただせっかく決意が固まっても、日々の仕事に忙殺されてしまい、本当に疲れクタクタで「将来有望」と分かっている半導体業界の仕事でさえ情報集めに億劫になってしまいます。

 

であれば、まずは転職サイトや転職エージェントに無料登録だけして「常に新鮮で自分に合った条件の求人情報を自動でゲットする」ことをいますぐ実行してみてはいかがでしょうか?

 

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